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    • 2011.05.01 Sunday
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    功名が辻(三)(四)

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      司馬先生の日本史・2時間ぶっつづけ。

      秀吉から家康の時代へ一気に駆け巡る後半戦。一豊・千代の命運が時代と交差した関が原の戦い。やはりここは一豊の軍師たる千代の一世一代の判断に勝るものなし。愚鈍ながらも素直さ・律儀さだけは天下一品の夫がつくべき相手は秀頼か家康か。冷静な判断力を失って情に流されかける一豊をうまくリードしていく千代の手腕にはうなるばかりだ。要はぼんやりくんの一豊を誘導していくのだが決して小賢しく立ち回ることなく、いつの間にかその気にさせあたかも自分で決めたがごとく思わせておいて思うが侭に夫を操縦する千代。どこまで本当なのかとかそういうことなど全く気にならない。刻一刻と変わり行く情勢を読むというよりも、「賭け」ていくその度胸に感心するばかりだ。千代は言う。”元々は牢人だったのですもの、今の地位など失っても又やりなおせばいいのです”と。これは中々にいえるものではありませぬ。それがしも凡人中の凡人であるからして、こういう”機を見て敏”なお人に思うことは尊敬の念、憧憬ばかりである。しかし千代と凡夫・一豊のコンビネーションこそが成功の種であったのだろうなと思わす三巻。関が原以降、どんどん二人の間に差し込む陰。それまで幾度となく訪れた危機を、陰のリーダー千代を頼りに乗り越え進んできた一豊であるが、土佐を拝領してからの人代わりしたかのような奢りっぷりと、それを毛嫌いしだす千代との不協和音が読むものの気持ちまで暗くする。勝者・一豊と敗者・長曽我部を分けた運命の不思議に思いやる気持ちすら失わせるもの・功名とはなんぞ?一豊を国主に仕立て上げることだけを夢見て走ってきた千代を襲う無力感にこちらまで覆われてどんどん暗くなってしまう。一領具足の反乱をいさめるにあたり、それまで二人三脚できた一豊が初めて千代を外してしまうくだりでは、功名の虜となり果て、得た地位に固執するあまりココロを失ってしまったがごとし我が夫に落胆し自戒の念にかられる千代にも、そしてそれを思いやれない一豊にも「あはれ」を感じ入る。仲睦まじい夫婦愛の代表格として名を馳せた二人の、意外なる結末。

      功名。欲して止まぬ者は虜となり、果てはおのれの命と引き換えにしても得たいと思うもの。私には一生理解できないであろうもの。

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