喪服おねいさんとトンボおにいさんの切ない別れに、ほんのり泣かされた一編。
先々週のおさらいがおざなりだったため、のっけから黒カブトと赤カブトのバトルにしばし見入って ”あーそういえばそういう引きだったっけ”と思い出していた。野趣あふれる やさぐれ(?)天道と謎の皆既日食空間でのバトルは辛くもタイムオーバーにより元の空間へ引き戻されて中断。「天道ッ!」言いもって駆け寄る加賀美、君はなんていいヤツなんだ。ミサキーヌのベタな取り繕いから、”オレたち付き合ってるんス”モードに突入するも卒なくこなし、ぼっちゃまへの気遣いも忘れない。既に付き合ってると聞いて尚キューピッド役を買ってでるぼっちゃまの天然ぶりもスパーク。そのうち嘘からでた誠になったりするのだろうか。どうでもいいけど。
そちらのほのぼのムードとは裏腹に、着実に喪服おねいさんとトンボおにいさんの悲恋は結末へ向けて進んでいく。喪服おねいさんのワーム前/ワーム後の演じ分けがすばらしい。目ヂカラだけで可憐な女性から一転する。すっぴん・ひっつめ髪の寂しげな薄幸の女性が不遜なワームクイーンになり一気に邪悪化するあたり、何かが憑依したみたいで実に怖い。トンボおにいさんのワームはワルモノフラグとしてアイライン入ってたものだが、喪服おねいさんはそんな小細工無用である。対するトンボおにいさんも、ちゃんと彼女の移ろいを感じ取る。ここはソレ、化粧師として長く女性に相対してきたおにいさんの面目躍如か。ここでまたゴンちゃんの力を借りるとかやらずあくまでトンボおにいさんと喪服おねいさんのドラマに絞られて、見えている結末を思いやるだにせつなさが増していく。
”たまたま大切な人がワームだっただけ”
”オレだってわかるさ、それくらい・・・”
こんなやり取りがたまさかトンボおにいさんと天道の間で交わされるなんて。
人間の心のフラッシュバックにあえぐ喪服おねいさんを粛清せんと現われる下っ端喪服ワームさん、その極端な内股はリビングデッドかゾンビかっつーノリですな。そしてなぜかここで矢車師匠現われ、柄にもなく”あなたを守ります”なんて言い出し 物陰で見守る影山ハンカチかみ締めるの図なぞ差し挟んでのくすぐりも忘れない。
”オレと同じ闇がみえる”なんてもっともらしい言い訳していたが、矢車師匠もお年頃ってことですな(笑)しかし木っ端微塵に吹き飛ばされしょんぼりモードで影山にたしなめられるというオチまで。井上御大手抜かりなしである。
喪服おねいさんがワームになった経緯は省略されているが、主役を奪われたと妬む女性とのくだりで大体の察しがついて更に哀しみが増す。人間に絶望しながらも、歌を通して光を見出そうと懸命に生きていたであろう彼女。白鳥オルフェノクの結花ちゃんを彷彿とさせるが、そんなことをしたり顔で書き募るのも野暮というものであろう。トンボおにいさんの手で幕引きしてくれることを請われても躊躇するトンボおにいさんに引き金を引かせるのはやはりゴンちゃんであった。ここで尚ぐずぐずしてたら興ざめであったが。そしてラストの
好きでした・・・ が残す余韻。井上御大恐るべし。
そんな染みる結末から次週予告。田所さん引越し屋さんコスプレ、そして 地獄師弟meet おぼっちゃま。追い討ちをかけるようなスーパーヒーロータイムの矢車師匠満面の笑みでの「アタック!」 出かけたナミダも思わず引っ込んで次週。
>mawiさん絶賛の40話感想にTBさせて頂いてよいものか
なにをおっしゃいますやら(笑) 絶賛・・・というほどには
感じておりませぬが、やはり井上御大は一筋縄ではいかない御仁だと
感慨にふけった40でございました。
あれも愛 これも愛 他聞愛 キット愛